フィリピン・イロイロにある田舎町、サンタバーバラにて日本食カフェをしながらどうにか食いつないでいるTakaです。
今日は私のたこ焼きを販売するRainさんのところに関してです。
アイキャッチ画像は昨日見た大きな満月。きれいだった。
お金がないのはサンタバーバラだけではない
Rainさんが住んでいる地域は市内ですが、バリバリのスラム街です。
塀で囲まれ、バランガイの様子が外からはわからないようになっています。
ここではほとんどの人がマスクをしないで過ごしており、お昼過ぎからお酒を飲む人が出てくるようなところ。
なによりも、住民の多くが貧乏だからここに住んでいます。
そして、女性たちは15-18歳くらいで第一子を出産します。
その結果、さらに貧困に陥っていくという悪循環です。
Rainさんのお家も同じようです。
彼女の妹たちがそれぞれ子供を数人作ってしまい、極貧生活です。
そんなところでの販売のため、ひとつ10ペソのたこ焼きを販売しても、彼らの多くにとっては高いようです。
特に、4月に入ってからは本当に多くの人がお金がない状況に陥ってしまっています。
なかなかお金を使えないのです。
私が住んでいるサンタバーバラでも高いという人がいるくらいですから、ここではなおさらです。
デリバリーの注文が多少はあるようですが、毎日多くの注文を期待することはできません。
そのような理由から彼女のお店はお金を作るのが難しいようです。
彼女は以前の私のパートナーのように、
「人をだましてでもお金を受け取り、いつも自分が一番ちやほやされていなければならない。
そのためにはどんな方法を使おうが気にしない」
というような価値観は持ち合わせていない、純粋な貧乏人です。
私も彼女のことはこの数か月間時間を共にする中で彼女が悪い人ではないことがわかってきたので、どうにかできるだけ力を貸したいと思っているところです。
人通りが多いところで販売することを目指します
最初はマーケットを訪れての交渉してみました。
たくさんの人が毎日買い物をしていますし、間違いなくサンタバーバラのマーケットよりも多くの人がマーケットを利用しています。
私が彼女に提案したのはかつて私が行った、「人のお店のデッドスペースをお金を払って借りる」作戦です。
お店を見渡すと、もちろん人気のあるお店とそうではないお店があります。
そこで、人気がないお店のデッドスペースを借りることができるかどうかを交渉することにしました。
うまくいけばお店の一部を借りて、そこでたこ焼きを販売できるからです。
そうなればスラムで販売するよりははるかにいい売り上げが期待できます。
ですが、マーケットはしっかりとした管理人がいるため、田舎であるサンタバーバラのような柔軟な交渉はできませんでした。
そこで直接マーケットの管理者たちと話をしてみることに。
条件付きで借りれるようですが、相手が提示してきた条件がちょっと受け入れられないものでした。
「家賃は毎日50ペソ、だけれどもそれとは別に4日ごとに1300ペソを支払え」言われてしまいました。
理由は、「今はコロナだから新規の人は受け入れられない。けれども特別に使用許可を出す。しかしながら特別なんだからその分多く払え。」というものです。
こういう所がこの国の現実を表していますよね。
彼女曰く「間違いなくコラプション」だそうです。
私たちはがっかりです。
バランガイの外で販売できるかどうか
彼女はバランガイの中の通りで販売をしているのでが、そこは完全にバランガイの中でも奥まったところで、人から注目を受けません。
そこで、バランガイの入り口付近で販売ができないかを交渉してみるように提案してみました。
ここで販売できるならまだ外部の人から注目されるし、彼女のバランガイに住んでいる人は必ずその入り口を通過しなければならないので、売れる可能性が高まるからです。
結果的にはそこでの販売が認められることになりました。
ちょっとは売り上げがあがることでしょう。
ですが、彼女は以前のように海外での出稼ぎを考えていると私に話をしてくれました。
「Takaからはお金の稼ぎ方を教えてもらったし、私に請求するお金はとんでもなく少ない。」
「休みの日の前には、仕事の後に1時間かけて私のこんな汚いスラムに来て時間を過ごしてくれる」
「あたなのような人とずっと一緒にいられたら幸せだと思うけれども、あまりに経済的に苦しくて、海外で数年間働かないとどうしようもない状態になってしまっている。」
なみだながらに打ち明ける彼女。
どうしようもないくらいマイナスな状況が私の周りに、多くの人の周りに圧し掛かるフィリピン生活です。
私の暮らしもいよいよ継続が困難な状況になってきました。