学校での販売が始まりました

フィリピンで飲食店ビジネス 

3か月かけて準備を進めてきた、学校でのたこ焼き販売。

いよいよ今回から本番です。

とはいえ、不安はありました。

いくら「日本人が作る日本のたこ焼き」とはいっても、お客様は大学生ではありません。

相手は10代の中高生。

しかもフィリピンの公立校で、多くの生徒は決して裕福な家庭ではありません。

そんな環境で、日本のたこ焼きは受け入れてもらえるのでしょうか。

前回はこちら

予行練習をしました
フィリピン・イロイロで、ついに学校内でたこ焼きを販売できることになった私。これまで使っていた電気式のたこ焼き機は18ホールしかなく、大量注文が入ると対応しきれないことがありました。そこで今回は、新たに購入した28ホールのガス式たこ焼き機を使...

荷物を学校へ運び込む

営業初日。

トライシクルに荷物を積み込み、学校へ向かいます。

通常運賃は10ペソですが、荷物が多かったため30ペソを支払い、運転手さんにも搬入を手伝ってもらうことにしました。

私はてっきり学校の門で降ろされ、そこから自分で運ぶものだと思っていました。

ところが運転手は、そのままスクールカンティーンの目の前までトライシクルを乗り入れます。

「えっ、そこまで入っていいの?」

と思わず驚きました。

ですが周りの生徒たちは誰一人驚いていません。

どうやら、この学校では珍しいことではないようです。

電気工事が始まっていた

学校へ着いて、さらに驚く出来事がありました。

なんと、電気工事士さんが私のブースで作業をしていたのです。

正直、私の要望は忘れられていると思っていました。

それだけに、この光景には本当に驚きました。

これで、たこ焼きだけではなく、冷蔵ショーケースを使った商品も販売できるようになります。

「約束したことをちゃんとやってくれる。」

それだけのことなのですが、それに感動してしまうのがフィリピンです。

……もちろん、フィリピンらしい出来事もありました。

工事が終わると、

「500ペソお願いします。」

と突然言われたのです。

まあ、電気が使えるようになるなら安いものだと思って支払いました。

ところが後から聞くと、

  • 工事代 500ペソ
  • 材料費 750ペソ

合計1,250ペソ(約2,700円)だったそうです。

少しだけ気になったのは、

午前中に営業する人たちも、この電気を使うのではないかということ。

私がお金を払った設備を共同利用することになるのなら、少し複雑な気持ちです。

とはいえ、ここで細かいことを気にしすぎても仕方ありません。

いよいよ販売開始

Josieは授業が終わってから合流するため、最初は私一人で営業します。

ターポリンを掲げ、値段を書き、準備完了。

周りのお店にはたくさんの商品が並んでいます。

一方、私のお店はたこ焼き一本勝負。

かなり珍しい存在だったと思います。

ガス式たこ焼き機も練習どおり順調。

問題なく焼き始めることができました。

最初は生徒たちも遠くから、

「なんだ、あれ?」

というような表情で眺めています。

そして、一人。

また一人。

少しずつ買ってくれました。

「これは思ったより厳しいかもしれない……。」

そう感じ始めた、その時です。

突然、生徒たちが一斉に集まってきました。

焼き上がったたこ焼きは、あっという間に売り切れます。

ソースをかけ、

マヨネーズをかけ、

青のりを振り、

お金を受け取り、

また焼く。

次の生地を流し込む暇もないほどでした。

Josieが合流

二時間ほど、一人で必死に対応していると、授業を終えたJosieがやってきました。

これで少しは楽になる……

そう思った矢先。

不思議なことに、生徒の波が急に落ち着いてしまったのです。

理由はすぐに分かりました。

この日は午後3時から先生方の会議があり、生徒たちは早めに帰宅していたのです。

大きなピークは終わりましたが、それでも残った生徒たちは引き続きたこ焼きを買ってくれました。

先生たちもお客様に

午後5時前。

先生方の会議も終了しました。

私たちのブースのすぐ前で行われていた会議でしたが、日本のような議論ではなく、大勢の先生を集めて連絡事項を伝える、といった雰囲気でした。

そして予想どおり、会議が終わると先生方が私たちのブースへ来てくれました。

「どうしてJosieがここで働いているの?」

そんな質問を受け、彼女は楽しそうに話しています。

私には細かい内容までは分かりません。

ですが、

以前カフェで働いていたこと。

突然家賃を3倍にされて店を閉めたこと。

新しい販売場所を探していたこと。

そんな話をしているようでした。

Josieは少し誤解されやすい性格です。

だからこそ、こうして先生たちの前で一生懸命働く姿を見てもらえることには、大きな意味があると思っています。

「人の役に立っている。」

そう実感できる経験は、きっと彼女の自信にもつながるはずです。

そんなことを考えているうちに、焼き置きしていた30個ほどのたこ焼きはすべて完売。

先生たちが次々に買ってくださり、

「おいしい!」

と現地の言葉で声を掛けてくれました。

どうやら、味のほうも合格点をいただけたようです。

初日の売上

こうして午後5時、営業終了。

片付けを終え、私は少し大げさなくらいJosieへ感謝を伝えました。

「Taka、大げさだよ。」

そんなことを言いながらも、彼女は本当にうれしそうでした。

そして、気になる初日の売上は――

2,470ペソ。

MUSHIN時代は、14時間営業してようやく届くこともあった金額です。

それが今回は、実質2時間ほどのピークタイムだけで達成できました。

もちろん初日だからという要素もあるでしょう。

それでも、

8,000人の生徒がいる学校という市場は、想像以上に大きい。

改めてそう実感しました。

営業後はアパートへ戻り、

ソースやマヨネーズの補充、

青のりの準備、

野菜を切り、

翌日の仕込み。

仕事はまだ終わりません。

すべて終えてから、Josieと一緒に15分ほど離れたショッピングモールへ向かいました。

いつもなら一人60ペソほどの食事。

でも今日は少しだけ贅沢をして、一人120ペソ。

ショッピングモールで食事ができる。

それだけで幸せを感じられる一日でした。

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