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オーナーから突然の呼び出し
その日の午前中、学校のフィリピン人マネージャーから
「オーナーが話したいそうです」
と呼び出されました。
その瞬間、嫌な予感しかしませんでした。
というのも、彼女が私を呼ぶときは、いつも悪い知らせばかりだったからです。
しかも前日、彼女は私のカフェで大量に注文をしていました。
実は以前も、同じことがありました。
彼女が私の店でたくさん注文した翌日、私のビジネスパートナーが学校を辞めることをオーナーへ報告したのです。
そして今回も同じ。
大量注文の翌日に呼び出し。
「また何か起きる。」
そんな予感は見事に当たりました。
オーナーが告げたこと
オーナーは開口一番、こう言いました。
「生徒が思ったより集まらない。俺も金がない。」
確かに学校の状況を見れば、経営が苦しいことは私にも分かっていました。
そして続けて告げられたのは、さらに厳しい内容でした。
「来月から家賃は4万ペソじゃなく6万ペソだ。」
「払えないなら今月中に出て行け。」
10月30日の出来事です。
さらに、
「お前は俺に150,000ペソ払わなければならない。」
とも言われました。何のためのお金かも理解できません。
もちろん到底払える金額ではありません。
責めず、泣いて謝る
実は、この状況になることはある程度予想していました。
だから私は、事前に一つだけ決めていたことがあります。
絶対に相手を責めないこと。
そして、
泣いて謝り、感謝を伝えること。
彼の前で涙を流しながら、
「せっかくチャンスをいただいたのに、それを活かすことができませんでした。」
そんな言葉を伝えました。
正面から言い争っても、私に勝ち目はありません。
とにかく穏便に終わらせる。
それがこの場でできる最善の選択でした。
ハロウィンパーティーと最後の日
その日、学校ではハロウィンパーティーが開かれていました。
私のカフェには普通にお客さんがいるにもかかわらず、大音量で音楽を流し続けています。
しかもドアは二つとも開けっ放し。
私が閉めても、すぐにまた開けられてしまいます。
お客さんたちも迷惑そうな表情を浮かべていました。
今となっては、もう何を言っても無駄でした。
従業員に伝える
私はすぐに従業員へ事情を説明しました。
するとFannyは、その場で泣き出してしまいました。
ようやく常連のお客さんも増え始め、
新しいフードやドリンクも試そうとしていた矢先でした。
希望が見え始めたところで、すべてが終わる。
そのショックは大きかったのでしょう。
仲間が助けてくれた
困っていることをビジネスパートナーへ伝えると、すぐに動いてくれました。
彼女自身も新しい学校の立ち上げで忙しいはずなのに、他のビジネスパートナーたちへ状況を共有してくれたのです。
するとグループチャットで、
「Takaを助けよう。」
という話になりました。
事務担当の女性はトラックを手配。
信頼できる男性講師は新しい部屋を確保。
私は一人ではありませんでした。
本当にありがたかったです。
荷物をまとめる

段ボールを買い込み、店の荷物をひたすら詰めていきます。
営業中だったので、お客さんから見えない場所で少しずつ荷造りを進めました。

ただ、精神的にはもう限界でした。
「ちょっと出かける。10時には戻る。」
そうスタッフへ伝え、日本人の友人と飲みに行くことにしました。
Fannyも泣き疲れて帰宅。
私自身も少しだけ気持ちを整理する時間が欲しかったのです。
そして午後11時。
帰宅すると、そこから朝まで一人で荷造りを続けました。
店内にあるものは、ほとんどすべて運び出さなければなりません。
照明。
装飾。
厨房用品。
テーブルや備品。

80センチ四方の段ボール8箱分もの荷物をまとめ、取り外せるものはすべて外していきました。
本当にきつい作業でした。
午前7時、撤退
気付けば朝6時。
アルコールもすっかり抜け、荷造りもようやく終わりました。
学校のスタッフが何人かやって来ましたが、誰も何も言いません。
ただ黙って私を見ていました。
何人かの生徒も登校してきました。
彼らは、私がこの数か月どれだけ苦しい状況で戦ってきたかを知っています。
「頑張ってください。」
そんな励ましの言葉が、胸に染みました。
そして午前7時。
手配してもらったトラックが到着しました。
(写真)
私の荷物はあまりにも多く、片道45分の道のりを2往復。
運転手への支払いと積み込みを手伝ってくれた人たちへの謝礼を合わせても、費用はわずか1,200ペソでした。
もし大型トラックを業者へ依頼していたら、おそらく4倍以上はかかっていたでしょう。
こうして私は、学校から追い出されるような形で、その場所を後にしました。
向かった先は、新しい街――サンタバーバラ。
この移転が、私の人生を大きく変えることになるとは、このときはまだ知る由もありません。

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