フィリピンの語学学校で働く先生の給与はどれくらい?

私はフィリピンの地方都市に位置している韓国資本の学校でマネージャーとして勤務しています。

生徒数は時期によりますが、25~40人程度の中規模の学校です。

約半年程度勤務していて私なりに感じた給与面に関する話をお伝えします。

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給与は決して恵まれてはいない

基本的に先生の給与は不十分です。もちろん経験年数によって差はあるものの決して恵まれているわけではありません。

講師経験が少ない先生は1コマあたり55ペソの給料です。

勤続年数が10年を超すベテランの先生でも100ペソしか支払われません。

私が滞在している地域の最低賃金は1日あたり8時間労働で360ペソです。

日本円で換算するとわずか740円程度です。

最低賃金で働く職種はショッピングモールやレストランなどで働く人たちがそれにあたります。

日本でいるところのイオンやチェーンの飲食店で働く人たちを想像していただけるとわかりやすいかと思います。

この一日の最低賃金を単純計算で8で割ると45ペソです。

フィリピン人の「正規の職につけた」多くの人たちがこの金額で仕事をしています。

話は戻り、先生方のお給料を考えてみましょう。

勤続1年目の先生が1日8コマの授業をもち、フルに授業ができたら55ペソ×8コマ=440ペソ

最低賃金を80ペソ上回る収入を手にすることができます。

しかしながら現実はそうもいきません。

彼らの多くは技術が未熟なこともあり、生徒が移動を希望することも珍しくないからです。

仮に5コマしか授業をもてなかった場合55×5=275ペソ、最低賃金を大きく下回ってしまいます。

せっかく教育を専門的に学び大学を出たのにもかかわらず、低賃金に嘆く先生も多くいるのです。

実際の給料所得の額はどれくらいか

次に実際のお給料を計算を元に紹介していきます。

私の語学学校では1ヶ月あたりの労働日数は20日と決まっています。

例えば3月は31日ありますが、31-20=11日、つまり土日以外にも休日となるのです。

勤続年数をベースに彼らの給料を算出するとこのような感じです。

a)新人の先生

時給55ペソ × 5時間 × 20日 = 5500ペソ(12000円程度)

b)勤続3年目の先生

時給65ペソ × 7時間 × 20日 = 9100ペソ(19000円程度)

c)勤続7年目の先生

時給90ペソ × 8時間 × 20日 = 14400ペソ(30000円程度)

d)勤続10年目の先生

(グループクラス時給120ペソ × 8時間 × 20日)= 19200ペソ(40000円程度)

e)参考:最低賃金

日給360ペソ × 22日(週休二日制) = 7920ペソ(16000円程度)

給与が不十分なことに加え、フィリピン人の人たちは一つのことに何年もかけて取り組むことを苦手としている人が多くいます。仕事の定着率が低く、転職が多いのもそのためです。

そのため、英語講師を続けて行きたい多くの講師は副業を選択するのです。

副業をする講師が当たり前に

このような給与体制なので先生の多くが副業をしています。

彼らの副業の多くはオンライン英会話講師です。

オンライン英会話の講師はには大きく2つのパターンがあります。

a)外資のオンライン学校に登録して働くパターン

フィリピン講師を売りにしているオンライン英会話学校はたくさんありますよね。

多くの学校が日本および韓国の会社が運営しています。

会社にも寄りけりですが、1時間150ペソ程度のところが多いようです。

日本人からしたら時給150ペソは安いですけれども、先ほどの給料と比較すると相当いい給与であることがわかると思います。

b)個人で生徒を見つけるパターン

語学学校を使ってくれた生徒と個別に交渉して、帰国後にオンラインクラスを受けるパターンです。

生徒からしたら自分のことをよく知ってくれている先生と引き続き授業ができるのでうれしい限りですし、余計なお金はかからずに授業代だけ支払えばいいのでお得感があります。

先生からしても自分の指導方法にフィットした生徒が授業を望んでくれるので授業を展開しやすいです。

また、給料も平均すると大体1時間250ペソと語学学校で指導するよりもたくさんの収入を得ることができます。

このような理由からたくさんの先生が副業としてオンラインの生徒に指導しています。

オンライン講師1本で勝負するのは難しい

ここで疑問が生まれます。

どうして全ての仕事をオンラインに切り替えないのかという疑問です。

全ての授業をオンラインに切り替えたほうがたくさんの収入を得られるのでお得ですよね。

単純計算で 150ペソ × 8時間 × 22日 = 26400ペソ(54 000円程度)

明らかに高収入です。ですけれども、なかなかこれが難しいようです。

現実的な問題として、2つの問題があります。

a)生徒の確保

長期的に学んでくれる生徒を見つけることが難しいようです。

英語学校卒業生の生徒は教えやすいですが、仮にその人が辞めてしまったら新たな生徒を探さなければならないです。

オンライン英語サイトに登録しても、その人が必ず毎週同じ時間に授業を受けてくれるかどうかの保障はありません。

先生方の悩みはここにあったりします。

b)精神衛生状の問題

オンラインはスカイプを通じてのマンツーマンレッスンですが、基本的には家の自分の部屋に篭ることになります。

ずっと自分の家で英語を指導するのは精神衛生の観点から病みやすいという話をしている先生がたくさんいました。

同じように英会話を教えるにしても実際に会話をするのとモニター越しに話をするのでは先生の気持ちも大きく変わるようです。

どのような環境で働くかはその人それぞれですが、ストレスなく賃金も保証された環境で働くのは誰にとっても理想です。

私が知る限りはフィリピンの英語講師はオンラインでも現実でも外国資本の企業にいいように使われてしまっているケースが多く見受けられます。

フィリピンの先生たちにとって快適な暮らしができる日が来ることを願っています。

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コメント

  1. Y.Gaku より:

    ある大学に勤務していますが英語学科を設置することになり英語教師を採用する予定です。もしフィリピン人の博士課程まで修了した英語教師を日本で採用するとなると給与はいくらぐらい必要でしょうか。また日本のビザは取得可能でしょうか。また
    募集をオンラインですることは可能でしょうか。お教えいただければ幸いです。

    • taka より:

      こんにちは。
      メッセージをありがとうございます。

      給与に関しては、場所によって生活費は異なるので具体的な金額を伝えるのは難しいですが、
      基本的な生活費を差し引いた状態で、ひと月に30000円程度貯金できるようなお給料体制なら
      彼らの多くが相当喜んでくれるかと思われます。

      募集に関してですが、オンラインで広く募る方法は上手に行えば難しいかもしれませんが、
      いい人材と巡り合うことはできると思います。
      例えば、
      ・募集要項をかなり細かく条件付けして、それをきちんとクリアした状態で申し込んでもらう。
      ・その後、スカイプで面接を行う、などはいかがでしょうか。
      おそらくですが、細かい条件を出してもその条件にそぐわなくても本人なりの理由をつけて、
      たくさんの人材が応募されると想像できます。
      そこから条件を満たしている人だけ慎重に選考するのがいいかと思われます。

      極端な話かもしれませんが、私はカフェの従業員を条件付きで募集したときに200人の応募がありましたが、
      そのうち120人は条件を満たしておりませんでした。

      就労に関してですが、フィリピン人でも日本の就労ビザ取得はもちろん可能です。
      私の知人も就労ビザを取得したうえで働いています。

      先人、知人のフィリピン人から相談を受けたのはこのサイトからの募集でした。
      参考になれば幸いです。
      彼らの多くが日本で働くことを望んでいます。
      https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_en/00_000147.html?fbclid=IwAR1nesmEXjTIFLF20OhOdIM3b4fsreRhYqVrjZN0zW5QXzHaJFNdPn03pPo