フィリピンでカフェをリノベーションしたら大変なことになった話|海外で人を信用する難しさ

フィリピンでビジネス|失敗・トラブル

当時、私はフィリピンでパートナーと一緒に小さなカフェを経営していました。

今でこそフィリピンでの生活や仕事にもある程度慣れましたが、その頃はまだフィリピンでビジネスを始めて間もない時期でした。

フィリピンでどのように仕事を進めればいいのかもよく分かっていませんでしたし、現地での人間関係についても、まだまだ分からないことばかり。

もちろん、自由に使えるお金もそれほどありませんでした。

そんな状況でしたが、当時のカフェはかなり古く、店内もあまりきれいとは言えない状態でした。

そこで、限られた予算の中で、できる範囲だけでもカフェをリノベーションすることにしました。

フィリピンのカフェをリノベーションすることに

そんな時、あるスタッフが私に提案してきました。

「ミスターTaka、私の親戚はコンストラクションやリノベーションの仕事を専門にしています。彼にお願いするのがいいと思います」

という話でした。

そのスタッフとは、その時点ですでに半年ほど一緒に働いていました。

普段から一緒に仕事をしているスタッフからの紹介だったこともあり、私はそれほど警戒しませんでした。

「スタッフが紹介してくれる人なら、大丈夫だろう」

当時の私は、そんなふうに考えていました。

そして、その人にカフェのリノベーションをお願いすることにしました。

今振り返ると、これが最初の判断ミスだったのかもしれません。

依頼することを決めた後、私は彼と、具体的にどこをどのように直してほしいのかを話し合いました。

例えば、カフェの床にあるセメント部分はかなり粗い状態だったので、きれいで滑らかな、できれば少し艶のある仕上がりにしてほしいとお願いしました。

また、キッチンエリアから客席へ料理を出しやすくするために、キッチンとダイニングエリアの間にカウンターのようなものも作ってほしいと伝えました。

さらに、天井にも問題がありました。

直射日光が当たることで、店内がかなり暑くなっていたため、天井部分に断熱材を取り付けてほしいとお願いしました。

このほかにも、いくつか改築・修繕してほしい場所がありました。

私が希望する内容を一つずつ説明すると、彼はそれぞれについて、

「分かりました」

と答えていました。

作業費として提示された金額は15,000ペソ。

それとは別に、必要な材料費を私が支払うという条件でした。

そして、工事期間は6日から7日ほどかかると言われました。

当時の私は、

「これで少しでもカフェがきれいになればいいな」

くらいに考えていました。

まさか、このカフェのリノベーションが大きなトラブルに発展するとは、この時はまだ想像していませんでした。

初日から「何かおかしい」と感じた理由

私が最初に違和感を覚えたのは、なんと工事初日でした。

その日は4人で作業をしていたのですが、その中の1人を見て、私は驚きました。

なんと、私にこの仕事を紹介してきたスタッフの彼氏だったのです。

その瞬間、私は少し嫌な予感がしました。

「もしかして、彼女は自分の彼氏にも仕事をさせて、お金を渡したかったんじゃないか?」

当時の私は、そんなことまで考えてしまいました。

しかも、その彼氏から、

「メインで作業している男性から、1日1,000ペソをもらうことになっている」

という話を聞きました。

そこで、私は頭の中で計算してみました。

私が支払う作業費は15,000ペソ。

もし仮に4人全員が1日1,000ペソを受け取るとしたら、1日の人件費だけで4,000ペソになります。

工事期間は6日から7日と言われていました。

仮に6日間働いたとしても、

4,000ペソ × 6日 = 24,000ペソ

です。

私が支払うことになっていた作業費は15,000ペソですから、これでは人件費だけで大きく予算を超えてしまいます。

もちろん、実際に4人全員が1,000ペソを受け取っていたのかは、私には分かりません。

ただ、少なくとも私から見ると、どう考えても計算が合わないように感じました。

しかも、その彼氏がやっていたのは、私が見ている限りでは、主にセメントを混ぜるような作業でした。

「これ、本当に大丈夫なのか?」

私は、少しずつ彼らの仕事の進め方に不信感を持つようになりました。

「これがフィリピンでは普通なのか?」と思っていた

ただ、当時の私はフィリピンでのビジネス経験がほとんどありませんでした。

日本で仕事をしていた時とは、何もかも勝手が違います。

そのため、

「もしかしたら、フィリピンではこれが普通なのかもしれない」

とも思っていました。

海外で生活していると、自分が知らない文化や仕事の習慣に出会うことがあります。

日本では当たり前だと思っていたことが、フィリピンでは当たり前ではない。

逆に、フィリピンでは普通のことでも、日本人の私からすると「なぜ?」と思うこともあります。

当時の私は、まさにそんな状態でした。

そこで、とりあえず彼らの仕事を注意して見ることにしました。

すると、仕事自体はかなり早いペースで進めているものの、私の目から見ると、かなり雑に見えました。

そして、昼休みになった時、さらに驚くことが起きました。

突然、

「昼ご飯を買ってほしい」

と言われたのです。

さらに、

「おやつも食べたい」

と言われました。

私は、

「え? それも私が用意するの?」

と、かなり驚きました。

後になって知ったのですが、フィリピンで大工さんや作業員に仕事を依頼する場合、食事やおやつをどうするのかを事前に話し合っておくこともあるようです。

しかし、当時の私はそんなことを知りませんでした。

何より問題だったのは、仕事を始める前に、そのことについて誰からも説明されていなかったことです。

それなのに、まるで当然のことのように昼食やおやつを要求されたため、私はまた違和感を覚えました。

工事初日に突然5,000ペソを要求された

そして、その日の最後に、さらに驚くことがありました。

彼らはその日、約8時間作業しました。

そして仕事が終わったところで、

「5,000ペソ払ってくれませんか?」

と言ってきたのです。

私は、

「お金は作業が全部終わってから支払う約束ですよね」

と伝えました。

しかし彼らは、

「ガソリン代が必要なんです」

など、いくつかの理由を説明してきました。

当時の私はフィリピンでビジネスを始めたばかり。

工事業者とのやり取りにも慣れていませんでしたし、彼らとその場で大きな口論になることも避けたかった。

結局、私はその場で5,000ペソを支払いました。

今振り返れば、ここが最初の大きな警告だったと思います。

ただ、その時の私は、まだこの後にもっと大きな問題が起きるとは思っていませんでした。

3日目に「工事は終わりました」と言われた

そして、決定的に「これはまずいことになった」と感じたのが3日目です。

最初の説明では、6日から7日ほどかけて作業する予定でした。

ところが、まだ3日目です。

私の目から見ても、明らかに終わっていない作業がたくさん残っていました。

ところが彼らは私に、

「全部終わりました。残りの10,000ペソを払ってください」

と言ってきたのです。

私は当然、

「いや、まだ終わっていない作業がありますよね?」

と伝えました。

例えば、最初にお願いしていた床のセメント部分。

そこは、まだほとんど手を付けていませんでした。

すると彼らは、

「そんな話は最初の打ち合わせにはありませんでした」

と言いました。

さらに、

「それをやってほしいなら、追加料金を払ってください」

と言ってきたのです。

私は、

「いや、最初にお願いした時に、この内容について話しましたよね?」

と説明しました。

しかし、彼らの態度は変わりませんでした。

パートナーやスタッフも交渉したが……

私のパートナーも少し感情的になり、彼らと話をしました。

その時、私は彼らが私のパートナーに対して、まるで「何も分かっていない女性だ」と言うような態度で接していることに気づきました。

それを見て、私はさらに腹が立ちました。

そして、私にこの作業員を紹介したスタッフも、彼らと交渉してくれました。

しかし、結果は変わりませんでした。

さらに、そのスタッフから言われた言葉が、私にはかなり怖く感じられました。

「もしTakaがお金の支払いを拒否したら、彼らがどんな報復をするか分からない」

というのです。

私は本当に腹が立ちました。

本当なら、こんな状態で残りのお金を払いたくありません。

まだ終わっていない仕事に対して、なぜ全額払わなければならないのか。

そう思っていました。

しかし、当時の私はフィリピンでの経験がほとんどありません。

相手と大きなトラブルになることも怖かった。

結局、私は残りの10,000ペソを支払いました。

そして、そこで工事は終了しました。

7日間の予定が、たった3日で終了

最初は6日から7日ほどかかると言われていた工事。

それが、たった3日で終わりました。

しかも、私の感覚では、お願いしていた内容の6割程度しか完成していませんでした。

それにもかかわらず、彼らは、

「これで全部終わった」

と判断したのです。

当時の私は、本当に怒りと悲しさでいっぱいでした。

「一体、何だったんだろう」

そんな気持ちでした。

私にこの作業員を紹介したスタッフは、

「私は何も知りませんでした。あんな人たちだとは思いませんでした」

と私に言っていました。

もちろん、本当に何も知らなかったのかもしれません。

今となっては、それを確認することはできません。

ただ、彼女が自分のボーイフレンドを作業員として連れてきたことは事実です。

だから当時の私は、

「もしかしたら、私に工事を依頼させることで、彼氏にもお金が入るようにしたかったんじゃないか」

と考えてしまいました。

本当のところは、今でも分かりません。

フィリピンで人を信用することの難しさ

この出来事を通して、私は初めて、フィリピンで人を信用することの難しさを強く感じました。

もちろん、これはフィリピン人全体の話ではありません。

フィリピンで生活していれば、親切な人にもたくさん出会いますし、信頼できる人もいます。

ただ、海外でビジネスをする場合、日本にいる時と同じ感覚で人を信用してしまうと、思わぬトラブルにつながることがあります。

当時の私は、今よりもフィリピンについての知識が少なく、日本にいる時の感覚で人を信用していた部分がありました。

特に、

「スタッフからの紹介だから大丈夫だろう」

と考えてしまったこと。

これが、私にとって一番の失敗だったと思います。

フィリピンでビジネスをするなら「記録」を残す

この一件があってから、私はリノベーションや工事などの仕事を依頼するとき、必ず記録を残すようになりました。

どんな作業をしてもらうのか。

料金はいくらなのか。

材料費は誰が負担するのか。

いつまでに完成させるのか。

こういったことを、できるだけ具体的に確認するようにしています。

そして、パートナーを通してアプリでチャットするなど、後から確認できる形で記録を残すようにもしています。

口頭だけで話して、

「言った、言わない」

という状況になるのを避けるためです。

これはフィリピンに限った話ではないと思います。

海外で生活する場合、自分の身を守るためにも、重要なことはできるだけ記録に残しておく。

私はこの経験から、そう考えるようになりました。

15,000ペソと材料費は高い授業料だった

当時の私にとって、15,000ペソと材料費は決して小さな金額ではありませんでした。

正直、かなり痛い出費でした。

しかも、お願いした仕事のすべてが終わったわけではありません。

「お金を払ったのに、予定していた仕事が終わっていない」

という状況は、精神的にもかなりストレスでした。

ただ、今振り返ると、この経験があったからこそ、私は以前よりも慎重に物事を進めるようになったと思います。

海外で生活していると、失敗することがあります。

そして時には、その失敗のためにお金を払うこともあります。

私にとって、この15,000ペソと材料費は、かなり高い授業料でした。

でも、その経験があったからこそ、

「人から紹介されたから大丈夫」

「口頭で話したから大丈夫」

とは考えなくなりました。

今の私は、以前よりもずっと慎重に、そしてできるだけ記録を残しながら仕事をするようになっています。

少なくとも、あの頃の自分よりは、フィリピンでの生活やビジネスについて少しだけ分かるようになったと思います。

あなたならどうしますか?

今回の話は、あくまで私自身がフィリピンでカフェを経営していた時に経験した出来事です。

もちろん、すべての工事業者やフィリピン人が同じだという話ではありません。

ただ、海外で生活したり、フィリピンでビジネスをしたりするのであれば、日本とは違う環境の中で、どうやって人と付き合っていくのかを考える必要があると思います。

もしあなたが当時の私の立場だったら、どうしていましたか?

工事が終わっていない状態で残りの10,000ペソを請求されたら、支払いを拒否しますか?

警察に相談しますか?

それとも、まず誰かに相談しますか?

あるいは、私とは違う方法で問題を解決しますか?

もし海外生活や海外でのビジネスで似たような経験があれば、ぜひコメントで教えてください。

私自身も、今でも他の人の経験から学んでいます。

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