こんにちは、Takaです。
私はフィリピン・イロイロ州で、小さな日本食カフェを経営しています。
先日、朝9時から夕方6時まで、9時間に及ぶ計画停電がありました。
結果から言うと、その日の売上はゼロです。
9時間の停電で店は営業不能に
私のような小さなカフェにとって、電気が止まるということは、ほぼ営業停止を意味します。
店内は真っ暗。
扇風機は止まり、エアコンはただの箱になります。
営業しているというより、「机と椅子だけ置かれた暑い部屋」です。
そんな場所で「ごゆっくりどうぞ」と言われても、お客様からすれば「いや、無理です」となるでしょう。
結局、その日は潔く休業しました。
日本に住んでいた頃は、「停電は数十分で復旧するもの」という感覚でした。
しかしフィリピンでは違います。
「今日は朝から夕方まで停電です。」
この一言で、一日の予定が決まってしまうことも珍しくありません。
しかも南国なので、電気が止まれば室内はすぐに蒸し風呂状態になります。
人間も大変ですが、冷蔵庫や冷凍庫の食材も気になります。
停電でも学校はいつもどおり
そんな中、驚いたことがありました。
私のアパートは学校のすぐ隣にあります。
停電で何もできず部屋にいた私とは対照的に、外からは子どもたちの元気な声が聞こえてきました。
電気など関係ないと言わんばかりの勢いです。
そして、その子どもたちに授業を続ける先生方。
「本当にすごいな……」
そう思いました。
停電で少し落ち込んでいましたが、その声を聞いているうちに、「金曜日からまた頑張ろう」という気持ちになれました。
フィリピンの停電はどれくらいあるの?
海外移住を考えている人の中には、
「停電なんて年に一度あるかないかでしょう?」
と思う人もいるかもしれません。
残念ながら、私が住んでいる地域ではそうではありません。
突発的な停電は月に2回ほどあります。
こちらは1~2時間程度で復旧することが多いです。
さらに、電力会社から事前に通知される計画停電も月に1~2回あります。
長いと8時間以上。
朝から夕方まで電気が使えない日も珍しくありません。
小さな飲食店は停電の日にどうするのか
答えは、とてもシンプルです。
営業しません。
私の店では、長時間の計画停電の日は最初から休業します。
店内は暑く、照明も使えず、冷蔵庫の開閉も最小限にしなければなりません。
お客様に快適な時間を提供できない以上、無理に営業する意味はありません。
その日の売上はもちろんゼロです。
仮に8時間の計画停電が月に1回あれば年間12日、月2回なら年間24日。
約1か月分の営業日が停電だけで失われる計算になります。
それでも家賃やスタッフの給料、固定費は変わらず支払わなければなりません。
だから小さな飲食店にとって停電は、「少し不便」ではなく経営そのものに影響する問題なのです。
ショッピングモールなら安心というわけではない
「だったらショッピングモールに出店すればいいのでは?」
そう思う人もいるでしょう。
確かにSMなどの大型ショッピングモールには非常用発電機があります。
停電しても数秒から数十秒で電気が戻り、エアコンも照明も動き続けます。
初めて見ると、「停電なんて関係ないんだ」と思うほどです。
しかし実際には、発電機を動かす燃料代や発電コストを各テナントが負担する契約になっているケースが少なくありません。
つまり営業は続けられても、その裏では追加コストが発生しています。
停電の日は売上が良くても、翌月の請求書を見て驚くこともあります。
地域の路面店は休業。
ショッピングモールは営業できる代わりに発電コストを負担する。
どちらにも、それぞれ違った苦労があります。
世の中に無料で動く発電機はありません。
停電が終わっても、その請求だけはきちんと届くのです。
フィリピンで日本食店を続ける難しさ
フィリピンで日本食の飲食店を続けるのは、決して簡単ではありません。
生き残る方法はいくつかあります。
一つは、手頃な価格で多くのお客様に来てもらうこと。
もう一つは、高価格でも「その価値がある」と感じてもらえる料理を提供することです。
ただ、高価格帯のお店を目指すなら、立地や内装への投資も必要になります。
個人経営では簡単に挑戦できる世界ではありません。
それでも私は、自分のお店を持つことを選びました。
停電の日もあります。
売上ゼロの日もあります。
それでも営業すると、「また来たよ」と声をかけてくださるお客様がいます。
その一言があるから、もう少し頑張ろうと思えます。
海外で商売をするということ
海外で小さなお店を続ける毎日は、SNSで見るような華やかな世界ではありません。
思いどおりにならないことの連続です。
停電一つをとっても、お客様にとっては「今日はモールへ行こう」で終わる出来事かもしれません。
しかし、お店を経営する側にとっては、売上や固定費、発電コストまで考えなければならない大きな問題です。
それでも、この道を選んだのは自分です。
問題が起きるたびに向き合い、一つずつ乗り越えていく。
それもまた、フィリピンで商売をする面白さなのかもしれません。
これからも、この国で実際に経験したことを、良いことも悪いことも含めて、ありのままお伝えしていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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