私は現在、フィリピン・イロイロ州の田舎町で日本食カフェを経営しています。
これからフィリピンで飲食店を開業したいと考えている方が一番気になるのは、
「結局、いくら必要なの?」
という点ではないでしょうか。
今回は、私が実際に日本食カフェをオープンしたときにかかった開業資金・初期費用をできるだけ詳しく紹介します。
さらに、「買ってよかった設備」と「買って後悔した設備」、そして開業後に本当に重要だと感じたこともお話しします。
お店の立地
私のお店は、田舎のメインストリート沿いにある建物の奥にあります。
看板は出していますが、大通りから店内は見えません。
入口から約15メートル歩いて初めて店内が見えるため、通りすがりのお客さんが気軽に入れる立地ではありません。
店舗の広さは約35㎡です。
家賃・保証金
フィリピンでは、
- デポジット(保証金)
- アドバンス(前払い家賃)
を契約時に支払うケースが一般的です。
私の場合は
- デポジット1か月
- アドバンス2か月
合計3か月分を支払いました。
現在の家賃は3万ペソを超えているため、今契約すると約9万ペソ以上必要になります。
内装工事にかかった費用
開業時は3人の大工さんにお願いしました。
当時は電動工具がほとんどなく、多くを手作業で施工してもらいました。
その後の改装では、「パッキャオ」と呼ばれる一式契約で依頼しています。
開業時と改装時を合わせると、
- 大工さんの人件費:約4万ペソ
- 木材・塗料など:約2万ペソ
- 看板2枚:約1万ペソ
合計で約7万ペソでした。
さらに
- ガラス窓・ドア:約3万ペソ
- 電気工事:約1万ペソ
これらを合わせると、内装関連だけで約10万ペソ以上になりました。
エアコン・冷蔵庫などの設備費
飲食店では厨房設備も大きな出費になります。
私が購入した主な設備はこちらです。
| 設備 | 費用 |
|---|---|
| エアコン(設置込み) | 約4万ペソ |
| 冷蔵庫2台 | 約4万3千ペソ |
| 冷凍庫 | 約1万5千ペソ |
| デロンギ製コーヒーマシン | 約8万ペソ |
特にコーヒーマシンは、一番高額な設備でした。
テーブル・椅子・カウンター
客席用の
- テーブル
- 椅子
で約4万ペソ。
さらに、
- 木製カウンター
- 棚
などで約8万ペソかかっています。
調理器具・最初の食材
開業時には、
- ガスレンジ
- 電子レンジ
- 包丁
- 食器
- 調理器具一式
を揃えました。
これらで約10万ペソ。
さらに、
- 米
- 小麦粉
- 調味料
など最初の仕入れに約2万ペソ。
フィリピンでカフェを開業した初期費用は約160万円
ここまで紹介した費用を合計すると、
約160万円(約1万USドル)
になりました。
もちろんこれは、
- 店舗設備
- 家具
- 厨房機器
などの初期投資です。
開業後には別途、
- スタッフの給料
- 家賃
- 光熱費
などが毎月必要になります。
買って失敗した設備① 家庭用製氷機
開業当初、私は約4,000〜5,000ペソの家庭用製氷機を購入しました。
しかし、
- 氷が安定して作れない
- 店舗営業には能力不足
という問題がありました。
原因は電圧の不安定さもあったかもしれませんが、一番の問題は家庭用を業務用として使おうとしたことです。
最終的には約3,000ペソで売却しました。
今なら最初から業務用を選びます。
買って失敗した設備② ケーキショーケース
もう一つ後悔しているのが、
冷蔵ケーキショーケースです。
本体価格は約5万ペソ。
電圧調整器も合わせると約5万7千ペソになりました。
しかし当時はケーキを販売する予定がほとんどありませんでした。
周りのカフェがおしゃれなショーケースを置いていたため、
「いつか使うかもしれない」
という理由だけで購入してしまいました。
結果としてほとんど使わず、約4万ペソで売却。
約1万7千ペソの損失となりました。
2026年現在でも、
「もし今持っていても、何を並べればいいんだろう」
と思っています。
完全に勢いだけで買ってしまった設備でした。
フィリピンだから設備が安いとは限らない
「フィリピンなら何でも安い」
と思っている方も多いかもしれません。
しかし実際にはそうではありません。
品質の良い商品は輸入品が多く、
- 関税
- 輸送費
などが加わるため、日本より高くなることもあります。
逆に価格だけで選ぶと、
- 壊れやすい
- 品質が低い
というケースも少なくありません。
毎日使う設備は、多少高くても品質の良いものを選んだほうが、長い目で見ると結果的に安く済むと私は感じています。
飲食店よりオンラインビジネスのほうが始めやすい
私は現在、日本語オンライン講師としても働いています。
こちらはパソコン1台あれば始められます。
インターネット環境を含めても、準備費用は約3万ペソ程度。
店舗を持つ必要もなく、場所を選ばず働けるため、自由度は飲食店よりはるかに高い仕事です。
初期投資を抑えたい方には、オンラインビジネスも有力な選択肢だと思います。
本当に怖いのは開業後の固定費
私が一番伝えたいことがあります。
それは、
開業資金より、開業後のお金のほうが怖い。
ということです。
お店はオープンした瞬間がゴールではありません。
翌日から、
- 家賃
- スタッフの給料
- 電気代
- 水道代
- ガス代
- 税金
など、毎月支払いが続きます。
売上が良くても悪くても、固定費は待ってくれません。
そのため、開業資金だけではなく、数か月間は売上が少なくても営業できるだけの運転資金を準備しておくことが非常に重要です。
私がおすすめする開業資金の考え方
これはあくまで私自身の経験ですが、
- 初期費用:家賃の約10倍
- 運転資金:家賃の約20倍
合計すると、
最低でも家賃の30倍程度の資金
を準備してから開業することをおすすめします。
資金に余裕があるだけで、経営判断にも余裕が生まれます。
逆に資金不足になると、本来やるべき投資を諦めたり、短期的な判断ばかりになってしまいがちです。
まとめ
私がフィリピンで日本食カフェを開業した際にかかった初期費用は、約160万円(約1万ドル)でした。
日本と比べると比較的少ない資金で開業できる可能性がありますが、それでも決して小さな投資ではありません。
さらに重要なのは、開業後も事業を続けられるだけの運転資金を確保することです。
これからフィリピンで飲食店やカフェの開業を考えている方の参考になれば幸いです。


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