フィリピンは「物価が安い国」として知られています。
しかし、実際に長く住んでいると、そのイメージは正しくないと感じる瞬間が増えてきました。
私がフィリピンに来た2017年と比べて、現在の生活コストは明らかに上がっています。
今回は、ジプニー料金・電気代・最低賃金など、身近な数字をもとに、フィリピンのインフレについての話をします。
2017年と現在の物価比較
まずは分かりやすく、当時と現在の物価を比較します。
紹介している数字はマニラではなく、私が住んでいるフィリピンのビサヤ地方、イロイロのため、マニラとは違いがあることをご理解ください。
- ジプニー初乗り:7ペソ → 14ペソ(2倍)
- 電気代:9ペソ/kWh → 15ペソ/kWh(1.7倍)
- エアコン修理スプレッドタイプ:1000ペソ→1350ペソ(1.3倍)
- 食品:国内生産:1.3倍
- 最低賃金:325ペソ → 525ペソ(1.6倍)
- ガス11kgタンク交換:700ペソ→1500ペソ(2.1倍)
こうして見ると、すべての数字が大きく上昇しています。
経済成長をしているから当たり前と言われるかもしれませんが、日本のインフレスピードと比べるととんでもない速さですべての物が高くなっている印象です。
「これは安い!日本と違う!」という気持ちになったのは2020年くらいまでです。
その後は「日本とかわらないか、一部の物に関しては日本より高い」と感じることが増えました。
最低賃金も上がっているが、生活は楽になっていない
2017年の最低賃金は325ペソでしたから現在と比べて約200ペソ上がっています。
一見すると「生活は楽になっているのでは?」と思うかもしれません。
しかし現実は違います。
交通費は倍、電気代も大幅上昇。
さらにガソリンやガス、食料品も同様に値上がりしています。
つまり、
収入は増えているが、支出の伸びの方が大きい
これが現在のフィリピンの実態です。
それに私のブログで何度も話をしていますが、地方に行くほど最低賃金は守られていないのが当たり前になります。
私が住んでいるサンタバーバラでは、一日300ペソ、350ペソで人を募集している店も当たり前のようにあります。
私が確認した時、ムンバイ(インド人)経営の服や・靴屋・スマホ屋などは、2026年でも昼食提供なしで日給300ペソでした。
このような店では、スタッフたちが常にだらけていて仕事をしていないのも半分納得です。
なぜここまで物価が上がったのか
たくさんの要因がありますが、簡単に言うと主な理由は以下の通りです。
① ガソリンなどのエネルギー価格の上昇
フィリピンは輸入に依存しているため、
世界的なエネルギー価格の影響を強く受けます。
今回のようなホルムズ海峡閉鎖だと、
元から90パーセント以上輸入だし、備蓄がない→価格が上がる
他国から買い付けた→もちろん通常価格よりも高い→市場価格が上がる
ガソリンやガスなどはこんな感じのニュースばかりになります。
② インフレの加速
世界的なインフレの流れに加えて、
国内でも価格上昇が連鎖しています。
とにかく毎年最低賃金がどんどん上がっていくのですが、実体経済は間違いなく追いついていません。
公務員、大企業、BDO、外資系くらいがクリアできており、ローカルの人たちにとってはまず達成不可能な数字になります。
そのため最低賃金以下で働かせることができる、という理由で家族経営が増えるのです。
最低賃金も上がっていますが、
物価上昇に追いついていないのが現実です。
フィリピンの生活費は安くない
2017年の時には間違いなく生活費は安かったものの、現在はそうでもありません。
日本より高いと感じるもの
・電気代
何度も話をしていますが、とにかく高い。
暑いからエアコンを使う→日本より高い電気代を払う→高温多湿のため5カ月に一度分解清掃を頼まなければいけない、という負のループです。
・日本食
原材料を輸入しているから高いし、たいていモールの中にあるためテナント料金も高い。
おいしいラーメンが1300円、焼き魚定食が1500円などは当たり前です。
野菜
日本よりも高い野菜がたくさんあります。
日本と同じくらいと感じるもの
輸入品
食べもの、雑貨などは大体日本と同じくらいの金額です。
・サーモンが1kgで3300円、
・さいころステーキが1kgで3000円
・アメリカのステーキ肉(リブアイ)が1kgで3000~6000円くらい。
インターネット代金
私が使っているプランは4000円くらいです。
速さは120-150mbpsくらい。
モール内のレストランの食事
店にもよりますが、ちゃんとしたレストランだと一人1500円くらいです。
日本より安いと感じるもの
・マッサージ
安いと一時間800円くらいです。
・米
一キロ110~140円くらいです。
ビール
330mlの瓶ビールが、安いところで買うと120円くらいです。
・人件費
8時間労働で1400円くらいです。
・中国産の価値が低い服や靴
私が履いているクロックスの靴は650円です。
・チェーン店の食事
ご飯と鶏肉のセットで350円-400円くらいです。
結局、栄養価を考えずに安くお腹を膨らませるのが目的なら安く済ますことができるのですが、バランスのいい食事を食べようとすると、日本と同じか、日本よりも高くなることもあります。
住空間も同様で、エアコンをつけたり、ホットシャワーを使ったりすると、日本よりも高くなり、ローカルと同様の暮らしをすると日本よりも安く済みます。
インフレは今後も続くのか?
最近ではガソリン価格の上昇や電気料金の値上げが続いています。
モールの営業時間短縮なども見られ、経済への影響は確実に広がっています。

この流れを見る限り、短期的に物価が下がる可能性は低い と考えられます。
2017年と現在を比較すると、フィリピンは確実にインフレが進んでいます。
- ジプニーは2倍
- 電気代は約1.7倍
- 最低賃金も1.6倍に上昇
「昔のような安さ」はもう感じられません。
フィリピン移住を考えている人にとっても、
「物価が安い」というイメージだけで判断するのは危険な時代になってきているといえます。
フィリピンで生活する理由を物価ではなく、ほかの理由で考えるのがよさそうです。

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