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ある日、オーナーに呼び出された私。
かなりしんどい現実を突きつけられました。
私の売り上げが少ないことに対して、3か月間なにも一切手出しをしなかったけれども、あまりにも私のお店を生徒が使わないことに対して怒り心頭です。
なぜならカフェがしょぼいと学校自体がしょぼいという判定になるから、と彼は考えています。
現在、私の感覚だと私のカフェを使う生徒はせいぜい1割から1.5割程度。
他の85パーセントは私のカフェスペースを利用しません。
この状況は明らかにまずい。
オーナーはそれがすべて私の原因にあると考えています。
確かに、私の能力が低いのも原因ですが、ほかにもあるような・・・。
そして私にとって困るような大きなお金を要求されてまいました。
家賃の20000ペソのほかに電気代も20000ペソ、合計で40000ペソをひと月あたりに払うように伝えてきたのです。
私のスペースが嫌がらせで狭められていることを伝えても一切無視。電気代の根拠に関しては全1階全体にかかった費用をエアコンの台数で割るという超適当な計算。
私がエアコンが壊れているために稼働させていなかったことを伝えても無視。
私はコントラクトがないことを伝え、払う必要がないということを伝えました。
私は弁護士に相談するものの、私のビジネスパートナーがサインを拒否したためにどうにもなりません。毎月88000円のお金を払わないといけないことになりそうです。
この状況は本当に地獄。
私の今の売り上げは本当に少なく、2000ペソ程度しかありません。毎月の売り上げが60000ペソ、利益が7割と考えて42000ペソ、従業員の給与が15000ペソ。間違いなく赤字になります。
何とかして売り上げを増やさないと、私の人生は破綻してしまうと思われます。
売ることができないと私がこれまで購入したものをすべて彼らに奪われて、私は深いかなしみとともに日本に逃げることになるでしょう。
全て私が悪いです。
段取り、勉強、能力、実践不足。
はっきり言って今の私には自信がありません。
ビジネスパートナーには拒否され、弁護士にはどうしようもないといわれ、生徒も来ず、お金もない。
完全に死んでいます。
ですが、生徒利用率15パーセントはあまりにひどすぎます。
最近はローカルフィリピン人のほうが多いくらいです。
オーナーの視点
彼の視点はシンプルでした。
①私の商品は価値がない、だから生徒が来ない。
②私が生徒を追い出しているから生徒が入らない。
彼は私が飲み物の勉強があまりに足りないと話していました。
コーヒーに味がない。だから売れない。
そんな感じです。
また、かつて韓国人が私の席を毎日使いながらも飲み物を購入しなかったために、私が何かを買うように促した声掛けが悪い行動だったと分析していました。
たとえ買わなくても、自分の場所を使わせておけ。
そしてコミュニケーションをとれ、というのが彼の考えて方でした。
私は全く購入しない生徒や先生が私の席をただただ汚し続けることにイライラしていましたが、彼はそこからでも仲良くなっていけば何かを購入してもらえると考えていたようです。
一理ある。。。気がします。
オーナーの選択
彼は私を責めつつも、最後の助け舟を出してくれました。
全マネジャーを集めて会議を開いたのです。
生徒は私に意見を直接言うことはありません。
なぜなら私に対して何かを言うのはあまりよくないと思っているようです。
強引にマネージャーを集め、「これからマネージャー全員でTakaのカフェを助けろ」と指示をだしました。
そして台湾人とベトナム人マネジャーに毎日一品ずつすべての飲み物を50%引きで購入して、満足いく味になるまで一緒に作れ、と命令を出したのです。
さらに、私のカフェの悪いところを一人3点話させました。
・コーヒーの味が薄い
・カフェっぽくない
・仕切りがないから落ち着かない
・生徒にとってはWEの一部という認識。特別感がない
・暑い
・Wi-Fiがない
・いろんな種類の紅茶を出すといいかも
・教室にデリバリーするのがいいかも
などなど意見が出ました。
エアコンに関してはオーナーは故障しているのではなく、リモコンがないから調節できないだけだと考えている様子。
どうでもいいのでお金をかけずに涼しくなればそれでいいです。
パーテーションに関してはフィリピン人マネージャーが特別感を出すため、ゆっくり過ごしてもらうためにも必要ではないのか、とオーナーに相談するそうです。
以前私から話した時は完全無視だったのに、彼女自身が必要かもと思ったら相談してくれるのですね。。。まぁいい。
私はもうなりふり構っていられません。
お金を作ってここで暮らしていくためには何でもしなければいけないのです。
・私からは生徒にマネージャーから意見を聞いてほしい
・週に1度でいいから進捗の会議を開きたい
ということを伝えました。
私には先生の声は届きませんが、フィリピン人マネジャーはそれを私よりは近い距離からきくことができる。
私には生徒の声は届きませんが、各国マネジャーはそれを私よりは近い距離から聞くことができる。
そう考えたからです。
コミュニケーションをさらに取りに行く私
生徒の仲の良かった子と食事に行く約束をした私。
チャンスとばかり、ほかの生徒も誘うように促し、6人で夜に軽く飲みに行きました。
実はこれは私がカフェを開始してから初めての出来事。
本当に周りが見えていなかったのだと思います。
次の日、私の従業員が休んだことを理由に、飲みに行ったグループに
「買い物に行きたいから少しの間私のカフェを使ってくれないか。何も買わなくてもいいから、いてほしい。
もし誰かが来たらTakaはすぐに帰ってくると伝えてほしい」
とお伝えして、彼らをカフェスペースを招きました。
その後、私が到着してからは、日本茶をふるまい、彼らと一緒に話をして時間を使いました。
こうやってコミュニケーションをどんどんとっていきます。
アドバイスをうけました
日本人のやんちゃ組に先生の選択アドバイスをしたら、その後食事をしに来てくれました。
親子丼のレベルが高い、とお褒めの言葉。
メンバーの一人はやくざとのつながりがある男性でしたが、実は26歳にして不動産をやったり、バーを持っている人でした。
自分で店を作って、ある程度の集客ができた段階で他人に売って毎月の売り上げの一定金額をもらうというビジネスをやっているそうです。
彼曰く「こないだ売ったバーは8坪で月商500マンですよ。」
すごすぎる。。。
アドバイスがかなり具体的で、もっと早く意見を聞けばよかったと思えるほどでした。
①「大きな窓があるところはスモークを貼るなり、すだれでもいいからしっかりふさぐといいっすね。
横長の背のちょっと高いテーブルを窓際に用意して、椅子を並べるとカップルや勉強したい人が入ると思う。
壁に向かって勉強する人のイメージです。
椅子は8脚。一席開けて人は座るから最低でも4人は座れますよ。
今はクーラー使えないかもしれないですけど、みんなと一緒にいたくない生徒なら夜なら入るはずです。
俺らの勉強部屋って見ての通り、広い部屋に仕切りもなく、イスとテーブルだけっすから、嫌な人は嫌だと思うんすよ。
②コーヒー味あんまりしないっすよ。
飲み物見直してみるといいかもしんないっすね。
俺はフィリピン人の味覚わからないけど、20パーセントオフやっているんだし、外から客引っ張ってくるよりも留学生メインで考えた方が楽ですよ。
いろんな国籍いるからうまいことみんなが好きな味作れたら、こいつら簡単にその情報シェアするっすよ。
俺よくわかんないけど、そんなに人来てないならTakaさんのとこのレベル高くないってなってると思いますね。
まぁ、味さえよければいくらでも挽回できますよ。
正直俺もメシ以外ではここを使いたくないって思いますね。
コーヒーメニューの選択肢少ないし、メニュー魅力的にしたらいいいかもしんないっす。
③来てくれた留学生に次の客をつかませるといいっすよ。
一回来てくれた留学生に、新しい人連れてきたら今度半額にするっていえばいいんすよ。そしたら無限ループに入りますからなんだかんだで全員一回は来るはずっす。
先生も一緒っすよ。こっちが集客するんじゃなくて、客に客を引っ張らせるんすよ。お互いWINWINの関係にするようにして。
何度も連れてくる生徒と仲良くなって、味のことがっつり聞けばいいんすよ。
全国籍の生徒にそれができればいいっすよね。
④一般のフィリピン人には、次回新規客ときたら20パーオフっていえばそれで充分っすよ。Takaさんのって証拠わかるクーポンとか紙とか作ってわたすんすよ。
ただし1週間以内に来なきゃ無効、みたいな。
別に来なくても損しないんすよ。
来たらこっちが得するだけなんで。
すごく実践的で、彼が相当な実力者なのが分かりました。
取り入れる。
コーヒーの勉強をしました
コーヒーの勉強をしていてわかったことは、アイスコーヒーはエスプレッソにアイスを入れるくらいがちょうどいいらしい。
1ショット30mlのエスプレッソ2ショットに、後はすべて氷でいいことのこと。
などのことをYouTubeを通して勉強し、従業員と一緒に味を確認しました。
これまでは水を100ml入れていました。
理由は最初の従業員みんなに聞いてみて、これでいいとなったから。
もしかしたらだけど、みんなコーヒーが詳しくない人だったのかもしれません。
若い女の子だったし。
その後は近隣の競合店のコーヒーを購入し、私のコーヒーと競合店のコーヒーを味を隠して生徒に比較させたところ、偶然かもしれませんが私のコーヒーを選んでくれました。
韓国人オーナーにもどちらが私のコーヒーか伏せて勧めたところ、私のコーヒーを選んでくれました。
どうやらまだ私には可能性があるかもしれません。
その後はキャラメルマキアートも購入したので、徹底的に競合店と同じような味になるまで
Nikkiちゃんと作り、「同じだね!!」といえるレベルまで高めることができました。
韓国人に謝りました
私に嫌がらせをした韓国人に対して「コーヒーを差し出し、今、味の研究をしていて少し強くしたんだけれども、よかったら飲んでくれないか」
と、こちらから低姿勢でアプローチし、「申し訳ないことをした。まだまだビジネスがわかっていないにもわかっていなかった」と謝罪をしました。
その後、彼から大量の写真が送られ、韓国のインスタントラーメンを売るようアドバイスを受けました。
「甘いものばかりではなくほかの味もいいんではないか」とのアドバイスです。
そこで、
「日本のラーメンはしょっぱいものばかりだから、韓国の辛いラーメンがあればお客の選択肢も増えていいと思う。ありがとう!ミスター」と返信。
その後すぐに購入し、ショーケースに入れました。
私の狙いは、韓国のラーメンを入れること、彼と和解することで、完全に私の店から購入するのをストップした韓国人をもう一度私のカフェゾーンに入れることです。
韓国人は年上には逆らいません。
もし、彼が以前のように若い衆を連れて、強引にアイスコーヒーをごちそうする流れができれば、売り上げは少しは上がるかもしれません。
そしてそれを見た先生やほかの生徒が私のお店から買うかもしれません。
とにかく、可能性を上げるための行動を積み重ねるのが今は一番。
食事は高評価
とりあえず、私の提供している食事のクオリティは全く問題ないことが判明しました。
よかった。
どうにか私が一番大事にしてきたものは悪くはなかったようです。
全てをチェックされようが、飲み物を交換することになろうが、生徒を入れることができるカフェにさえなれば収入は必ず上がります。
せめて生徒利用率50パーセントは超えないとどうにもなりません。
生きられるでしょうか。